大腸内視鏡検査で、直腸にカルチノイドがあると言われたら
大腸内視鏡検査で、直腸にカルチノイドがあると言われたら
7月8日。晴れ時々曇り🌤️ 閉鎖後35日目。
仕事だけじゃないけど、やっぱり、 集中すると、ずっと椅子に座ったままになってしまう。
少しはスタンディングデスクで立つけど、時間を決めて、切り替えたほうがいいな。
今日は、今、新たに、大腸内視鏡検査で、直腸にカルチノイド(直腸カルチノイド、直腸神経内分泌腫瘍、直腸NET、NEN)があると言われた人が 質問に来た時に、出せるように、書いてみた。
ずいぶん前に、「カルチノイドって何かね?」というのを書いたのですが、その続編になるかな?
まずは、大腸カメラ
健康診断などで、便潜血検査が陽性になったら、すぐに大腸内視鏡検査を受けましょう。
40歳すぎたら、一度は、大腸内視鏡検査を受けましょう。
50歳すぎたら、定期的に、大腸内視鏡検査を受けましょう。
直腸にカルチノイドがあると言われたら
そして、もし、不運にも、直腸に、カルチノイド、粘膜下腫瘍、 もしくは、神経内分泌腫瘍の疑いがあると言われたら、適切な総合病院、できれば、「がん診療連携拠点病院」 を紹介してもらいましょう。
希少がんであるため、比較的大きい総合病院でも経験がない、少ない場合があります。がん情報サービスなどを使用して、「実績のある病院」を選ぶと安心感が増します。
実際には、病気について深く知るのは、これよりも後の場合があると思います。
もし、紹介されてから、より専門性の高い病院の方がよかった。と思った場合は、紹介先に行く前でしたら、紹介状を書き直してもらうことができると思いますし、紹介先に行った後の場合は、紹介先の実績などを確認して、相談するとよいと思います。
紹介先では、さまざまな検査を行います。
落ち着いて、 一つ一つ、検査を受けていきましょう。
この時点では、まだ、何とも言えませんので、不安や心配が止まらないですが、あまり、考え込まずに、冷静でいてください。
検査の日程と仕事や、家庭の予定を調整するのが大変ですが、とにかく、 落ち着いて深呼吸。一つ一つ進めて行きましょう。
病変の切除
検査の後は、病変の切除になります。
ほとんどの場合、大腸内視鏡で切除できる範囲だと思います。
比較的サイズが小さい場合は、輪っかをかけて切除する、内視鏡的粘膜切除術(EMR)になります。日帰りか、数日の入院になると思います。
そうでなければ、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)になると思います。ESDの場合は5日程度の入院になると思います。
いずれの場合でも、内視鏡検査と負荷的にはあまり変わりませんので、怖がらずに落ち着いて受けましょう。怖い場合や、敏感な方は、医師と相談ください。
鎮静剤を強めるなど、ある程度調整はしてもらえると思います。
費用面では、ESDの場合は、入院費も必要になってきます。高額医療制度で、限度額以上は後日、戻ってきますが、ご自身の健康保険組合に限度額適用認定書を申請し、病院に提示すれば、限度額以上支払わなくてすみます。なお、病院によっては、患者が許可さえすれば、その情報にアクセスできる場合があり、その場合は、限度額適用認定書は不要ですので、入院が決まったら、病院に確認するとよいでしょう。また、マイナンバー保険証が利用可能な場合は、読み取り時に同意することでも、限度額適用することができます。
診断書
保険の給付や、会社への申請などで、診断書が必要になると思います。
ただ、この病気は、希少がんであるため、保険会社、病院が経験していないとか、間違った認識をしている、など、もめそうになることがあるようです。
一つのポイントは、診断書を取るタイミングです。
病変切除後、病理検査の結果が出るまでは、確定診断ができないので、内視鏡検査時では、粘膜下腫瘍 でしかない扱いになる可能性があると思います。単なる、粘膜下腫瘍では、 悪性かどうかは不明ということになるので、そうすると、ポリープと同じ扱いを受けてしまうということも理解できます。
当然、給付は早く出た方がおさいふに優しいですし、会社が急かしてくるということはあるでしょうが、診断書も1回ごとにお金がかかることではあるので、診断書は、内視鏡検査時ではなく、病理検査結果の後で発行された方がよいでしょう。
記述も正確になり、また、提出先によってはコピーでよい。という場合もありますので、そうなれば、一通で済みますので、おすすめです。
二つ目のポイントは、目的にあった診断書を取るということです。
もしも、診断書の提供先が、待てないという場合は、目的に合った診断書を発行してもらうことを考えましょう。会社の傷病休暇取得が目的であれば、単に、 医師が傷病により休暇が必要と診断したことだけを書いてあればよい場合もあり、その場合、病院が用意する最も安い診断書で事足りる可能性があります。
保険の給付申請に用いる診断書は、保険会社の要求を確認しましょう。
保険会社が正しく判断できるように記載する必要がありますが、保険会社によってフォーマットはバラバラで、医師が慣れていない場合もあります。
診断書のフォーマットを、ただ渡すだけでは、保険会社の意図に合わない記載をされてしまって、 修正や再発行になることもありますので、請求時に
- 「悪性腫瘍の場合は、給付額が変わってくるので、手術コードも含めて、明確に記載して」
- (自宅療養給付ある場合)「退院後療養したほうがいい場合、その欄に記載して。退院後初回診察日までとか」
など、目的に対して、間違いが起きやすいポイントを伝えたり、医師に直接フォーマットを渡さないシステムの病院の場合は、ポストイットで、注記したものを渡したり、保険会社が用意する記入例も含めて渡したりするのがよいでしょう。
保険等でがん(悪性新生物)という認定が必要な場合、
神経内分泌腫瘍という診断名だけで、保険会社がそう理解してくれればよいですが、そうでない場合、その他の説明、記載が必要かもしれません。
まずは、手術コード。手術コードは以下の2種類があります。
- K721 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術
- K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術
このどちらかですが、腫瘍径5㎜以下、もしくは、EMRは、K721 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術の方かもしれません。
その場合、手術コードだけでは悪性腫瘍かわからないので、その他の診断結果で悪性腫瘍(悪性新生物)であると診断しているかどうかが重要になってくると思います。
神経内分泌腫瘍は、希少がんですが、粘膜下にできる悪性腫瘍という理解ですので、悪性新生物(上皮内新生物ではない)という認識が、病院側、 保険会社側双方で食い違わないようにする必要があると思います。
病理検査の結果
その後は、退院後、数週間後に、診察と同時に、病理検査の結果を聞くことになると思います。
病理検査の結果は、基本的には、その後に必要なことを確認していくことになります。
確認しておくところは主に以下の通りです。
他にも気になることがあれば、事前にメモをして持っていって聞きましょう。
皆さんの命にかかわることなので、遠慮することはないと思います。
- 神経内分泌腫瘍か?
- 腫瘍径(病変サイズ)
- 増殖能力(Ki67指数、核分裂像数)=グレード(G1/G2/G3)
- 脈管侵襲(リンパ管侵襲Ly、静脈侵襲v)
- 切除断端(Hm、Vm)
- 深達度
- 腫瘍の場所、肛門からの距離
- 病変は一括切除できたか。
- 今後について(経過観察 or 追加外科手術)の見解
- 外科手術を推奨などされたら、外科医の診察を予約
- すでにセカンドオピニオン決めているなら、その旨伝える(任意)
病院によって、紙に書いていただけたり、報告書のようなもので渡されたり、口頭のみで詳細まで説明してくれない。など、さまざまあるようです。
自分が思っている以上に、 動揺しています。落ち着いて聞けるよう、また、聞いたことを忘れないよう、メモと筆記用具は持っていくのがよいです。
徐々に変わりつつあるようですが、まだまだ、電子機器、録音、録画などは、病院側がその場で了承できないこともあるようですので、事前に確認し、許可されない限り、紙と鉛筆、ペンの方が良いと思います。
さて、病理検査の結果により、
- 治療終了、経過観察になる方
- 転移リスクがあり、外科手術(直腸切除と リンパ節郭清)に進む方
- 経過観察か、外科手術で悩む方
に分かれることになりますが、その先の話は、またの機会に覚えていたら、書こうと思います。
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