直腸NET 内視鏡で切除した結果が出たら
7月16日。晴れのち曇り⛅ 閉鎖後43日目。
この判定によって、
一昨日まで、前回の大嵐、大波以来、3日💩出ていなかったのは、
昨日、朝は、ちょろりだったが、夕食後に、モリモリやってきた。
寝るまでには落ち着いたので、漢方なんて、いらないじゃん!
3日出なくても、ところてん方式。お腹が痛くなったりしてなければ、出るのである。
心配ご無用!
さて、今日は、以前書いた、
の続きを書いてみようかと思います。
繰り返しになりますが、私は医療関係者ではありません。
あくまで、自身の経験上から、このように理解、解釈している。というだけです。
個人の見解として、書いています。
神経内分泌腫瘍で共通する部分もあるかと思いますが、
ここでは、 私の経験上なので、直腸の場合になります。
直腸NET 内視鏡で切除した結果が出たら
病理検査の結果は、今後の進む道に大きく影響します。
きちんと確認して、納得して先に進めるようにしたいところです。
医師の説明は、わかりにくかったり、専門家ではない患者には伝える必要がないとか、説明が難しいとかで、オブラートに包んで、詳しく教えてくれない場合があります。
医師は、医療としてはプロですが、 伝え方のプロではないので、それはしかたのないことです。しかし、 自分の人生がかかっているので、納得いくまで確認しましょう。
ここでは、今後、経過観察か、外科手術(直腸切除と リンパ節郭清)に進むか、大きく分かれる、その観点に注目して書いていきます。
そこに関わってくるのは、主に、腫瘍径(病変サイズ)、増殖能力(Ki67指数、核分裂像数)=グレード(G1/G2/G3)、脈管侵襲(リンパ管侵襲、静脈侵襲)、断端陽性、深達度です。
それぞれについては、以下の通りです。
- 腫瘍径(病変サイズ)
- 正常ではない細胞のかたまりが「腫瘍」で、それらが分裂して増えていく。大きければ大きいほど、分裂する細胞の数が多いということになり、リスクが高くなります。例えば、欧州神経内分泌腫瘍学会 (ENETS) 2023 大腸神経内分泌腫瘍に関するガイドラインによれば、単に、腫瘍径だけでみた場合、リンパ節転移の発生率は5mm以下<6-10mm<11mm以上とされていて、日本でも同様に膵・消化管NEN診療ガイドライン第二版で、10mm以上はリスクがあるとされています。
- 増殖能力(Ki67指数、核分裂像数)=グレード(G1/G2/G3)
- Ki67指数や核分裂像数は細胞が分裂して増える過程の現象をとらえてカウントしている。 したがって、数値が高ければ、増殖する現象が多く起きているので、増えるスピードが速いと理解でき、G2以上は転移リスクがあるとされています。
- 脈管侵襲(リンパ管侵襲、静脈侵襲)
- 腫瘍細胞が、腫瘍周辺の脈管(リンパ管や静脈)に侵入していることが切除した病理標本から確認できたかどうかです。侵襲なし(Ly0, v0)か、ある場合、軽度から高度まで判定されますが、侵襲が認められると、細胞が脈管を通って広がった可能性が考えられるので、転移リスクがあるとされています。
- 断端陽性
- 断端陰性(Hm0、Vm0)、完全切除(R0切除)で取り切ったかどうかです。切除した、病理標本の断端、切り口に腫瘍が露出しているのが、断端陽性です。陽性になると、腫瘍をすべて切除できていない可能性があるので、転移リスクとされます。
- 深達度
- これは直腸の壁のどこまで腫瘍が浸潤しているか。で、直腸NETの場合、粘膜下腫瘍として見つかるので、粘膜下層(sm)には浸潤しているのは、 当たり前のことと理解しています。転移リスクがあるとされるのは、その下層、固有筋層(mp)に達している場合です。
- Type 0~3 SMT
- Typeは、腫瘍がどこまで浸潤しているかで、筋層に達していなければType 0のようです。
- SMTとは、粘膜下腫瘍様(submucosal tumor-like)隆起を表します。
- pT1a, pT1b
- 深達度として表現されることがありますが、直腸NETにおけるTMN分類では、大きさも要素です。T1aは、粘膜下層(SM)までに浸潤する腫瘍(1cm未満)、T1bは、粘膜下層(SM)までに浸潤する腫瘍(1~2cm)
- 深さに数字(μm)が記載されていることもあるようです。通常の大腸がんは浸潤リスクが高いので、粘膜筋板下端からの深さで、内視鏡切除の適用かどうかの基準があるためだと思います。粘膜と粘膜下層の間の粘膜筋板下端からのsm垂直浸潤長が1mm(1,000μm)未満が内視鏡切除の適用だそうです。
- pはpathological(病理学的)の略で、術後の病理診断での評価(計測)、cはclinial(臨床的)の略で、術前の画像診断での評価(計測)
その他に病理検査の結果の中に出てくる場合があるパラメータについても触れておきます。
- Chromogranin A
- Chromogranin Aは神経内分泌細胞に特異的に発現するタンパク質で、神経内分泌腫瘍(Neuroendocrine tumor:NET)において重要な腫瘍マーカーの一つであると考えられています。ただし、NETでは陰性であっても他のマーカーが陽性であれば診断可能です。
- Synaptophysin
- Synaptophysin1は、p38-1とも呼ばれるシナプス小胞膜タンパク質で、神経内分泌腫瘍マーカーとして広く使用されています。 陽性はこの腫瘍がSynaptophysinを発現していることを示し、神経内分泌腫瘍の存在を裏付けます。
- 病変の部位
- 上部直腸(Ra)、下部直腸(Rb)
- INFa, INFb, INFcは、浸潤増殖様式を示すようです。
- INFaは、例えば、腫瘍が周囲の組織に浸潤するが、境界が比較的明確な場合に使用され、b, cになるにつれ、境界が曖昧もしくは、不明瞭か広範囲となっていくようです。
- (med) (int) (sci)は、腫瘍の間質の性質や状態のようです。
- (med) - Medullaryは、間質が「髄質型」の特徴を持つことを示します。髄質型は、がんの間質が密で、腫瘍内に比較的均一に分布している状態を指します。
- (int) - Interstitialは、間質が「間質型」であることを示します。間質の状態や量が腫瘍の成長や浸潤に影響を与えることがあるらしいです。
- (sci) - Scirrhousは、間質が「硬化型」であることを示します。腫瘍の進行度や治療の難しさに影響を与えることがあるらしいです。
- 神経浸潤
- Pn0は、神経浸潤がないことを示すらしいです。
- 病変の分化度
- BD1は、腫瘍の分化度を示すもので、BD1はよく分化した腫瘍を意味し、良好な予後が期待されます。
- ER0: 病理的に切除断端に腫瘍細胞が残っていないことを示すようです。
- 根治度 CurEA/CurEC
- CurEAは、根治的治療が達成されたことを示しています。これは、腫瘍が完全に切除され、追加の治療が必要ない状態であることを意味します。根治度EA(CurEA):HM0かつVM0の場合。根治度EC(CurEC):HM1またはVM1の場合のようです。
リスクの判定
膵・消化管NEN診療ガイドライン第二版では、以下のように示されています。
- 直腸NETは以下の場合に、切除術が推奨される。
- 腫瘍径が1cm以上、G2以上、固有筋層または局所リンパ節転移のいずれかが疑われる場合
- 内視鏡的切除標本において、追加治療要因のいずれかが存在する場合
- 術式は、リンパ節郭清を伴う直腸切除術/直腸切断術が推奨される。
内視鏡的切除で、治療は終了して、経過観察か、
追加の外科的切除(リンパ節郭清を伴う直腸切除)を行うか
を選択することになりますが、これが非常に悩ましい状況になっています。
なお、上記図は、「がんプラス」サイトに掲載、ガイドラインから作成したとされる図ですが、内視鏡切除からの流れが正しくありませんので、詳しく見ていく場合は、ガイドライン自体を直接確認したほうがよいです。
経過観察か、外科手術で悩む
前述した、リスクの判定(経過観察か、追加の外科的切除か)には、その境目に該当するケースが多いわりに、希少がんのため、データが少ないことで、その判断は、専門家でも悩ましい。という現実があります。
悩みになるポイントを書いてみます。
- ぎりぎりリスク有りと無しには大差がない可能性があります。例えば、G1とG2の境目はデータとしては連続と考えるのが妥当なので、ぎりぎりG1とぎりぎりG2のリスクには大差がない可能性があります。
- 病理標本の検査指標については、既定の方法で抽出されたものを検査するため、結果に幅が出てくる。結果に幅があるため、ぎりぎりの場合は、セカンドオピニオンなどで 再病理検査をすると、結果が変わる可能性があります。
- 膵・消化管NEN診療ガイドライン第二版 2019年時点ではなかったことが言えるようになってきています。具体的には、国立がん研究センター中央病院 が病院サイトにて、「豊富な臨床データから、1cm以下のNET G1であれば、免疫染色にてリンパ管や静脈に浸潤があっても、転移再発をしない可能性が示されています。」と語っています。
- 仮に他の臓器に遠隔転移した場合は、転移先で切除できるような形で転移するとは限らないため、その後の治療の選択肢が減る可能性があります。このため、リスクは下げられるなら、下げておいた方がよいです。
- 追加の外科的切除にもリスクは伴い、原発の場所が肛門に近い場合に、永久的な人工肛門となる可能性や、直腸を失うことによる排便障害などの後遺症によって、QOLが下がることが懸念されます。
それから、外科手術(直腸切除と リンパ節郭清)を考えなければならなくなったら、確認することがいくつかあります。手術自体のリスクや、その後の生活への影響のリスクに影響することです。
- 腫瘍の場所、肛門からの距離
- 肛門に近ければ、人工肛門の可能性があります。
- 切除後の腸のつなぎ目、吻合部の吻合不全を防止するため、 一時的人工肛門を造設する場合があります。一時的人工肛門は3-4カ月後に閉鎖しますが、その間は、人工肛門による排泄になります。
- 原発から肛門側に2,3cmは余裕をもって切除することになるため、それより近い場合は、肛門の温存が難しく永久人工肛門になる可能性があります。
- 肛門に近ければ近いほど、たとえ、肛門が温存できても、程度に差はあるものの低位前方切除術に伴う排便障害が起こる可能性が高いです。
- リンパ節郭清
- リンパ節郭清は、おそらく、「D3郭清」だと思います。直腸を切除するので、それに紐づいたリンパ節も一緒に切除するため、大動脈近くの主リンパ節(第3群リンパ節)まで郭清することになると思います。切除する直腸に紐づいた部分だけなので、残る腸に必要な部分は残ります。
- 側方リンパ節は、腫瘍の状況によりますが、直腸NETは小さく悪性度も低いので、CT、MRIなどで他のリスクがなければ、不要と言われると思います。
- 術式は、ダヴィンチをはじめとするロボット支援下での手術か、それ以前から行われていた腹腔鏡手術か。
- 直腸に対するロボット支援下手術が、2018年4月より保険適用となったことと、より高度で繊細な手術も可能となっているため、ロボット支援下手術が選ばれることが多くなってきています。ただ、手術時間が長くなる傾向があります。
- 腹腔鏡手術も進化しており、病院によっては、ロボット支援下手術より、より安価で、短時間の手術が可能な場合があります。
- ロボット支援下手術の場合は、執刀医が、「日本ロボット外科学会」「日本内視鏡外科学会」の認定医リストにあるとなんとなく安心できたりします。ご自身の担当医の実績は直接確認しても良いと思います。
- ダヴィンチは、2024年現在では、第4世代Xiが主流で、最新のSpが導入されてきています。ダヴィンチ一強に対抗すべく、国産のhinotoriも頑張っているようです。
年齢や、他に持病があれば、さらに 選択は難しくなっていくことでしょう。
悩ましいです。これからどう生きていきたいか。を考えると何か考えが浮かぶかもしれません。誰かに話を聞いてもらうのもよいでしょう。
それでも、結論は出さないといけませんので、良い選択をしてください。
さいごに
ざっと、駆け足で書いてみましたが、ロジックがおかしいところや、間違いがあるかもしれませんし、書き足りないこともあるでしょう。その点はご了承ください。
お気づきの点があれば、 ご指摘いただければ、訂正します。
また、後で気づいたら書き足したりしたいと思います。
伝えたかったのは、
経過観察にしろ、外科手術に進むにしろ、その後に続く、生活を前向きに送れるように、できるかぎりの情報をあつめて、きっちり理解、把握したうえで、自分なりに納得した結論を出してほしい。
ということです。
私の場合、腫瘍径が10mmと、G2なので、推奨にしたがって、外科手術をして、後悔はありませんが、切除後のリンパ節に転移は見つからなかったので、追加の安心が手に入ったと同時に、切除しない選択がなかったということは、残念でした。
あとに続く、 みなさんが、みなさんにとって、最善の選択をすることを願っています。
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