誠に遺憾
8月25日。雨のち曇り🌦️閉鎖後83日目。
いろいろな方の話を聞いていると、
最初の内視鏡検査の段階で、
生検鉗子で病変を摘出されてしまったり、
通常のポリペクトミーやEMRで切除されてしまったりして、
切除断端が陽性、わからない、ギリギリなど、あやしい結果となり、その後の判断が難しくなる方が、予想以上に多い。
おそらく患者側も理解せずに、そのまま経過観察になっているケースも多いだろう。
直腸NETでは名の知れた医師が、
正しく理解をして、注意深く診断、切除を行わなければならないと警鐘を鳴らしている。
にもかかわらず、切除断端に悩む方が、これほど多いとは、誠に遺憾。
いきなり切除されてしまって、切除断端が不安な場合は、再度、内視鏡で周辺を切除する。それをしない場合、サイズの小さいG1で他のリスクが無くても、外科手術が勧められてしまい、やりすぎになってしまう。
そして、追加の切除の結果をふまえて、見解は出るが、
ガイドラインは、一括で完全切除した場合を前提としていて、どこを見ても、エビデンスがない。
だから、言い切ることはせず、ぼかした書き方になっている。
そして、患者は、悩み、不安になる。
この事実を、医療業界はわかっているのか?
わかっていても、それをすれば、
内視鏡検査医が切除を避けるようになって、大腸がんのような他のがんまで放置してしまうとか、
大きい専門病院に患者が集中してしまうとか、
医療崩壊に近い状況を巻き起こしてしまう懸念があるから、診て見ぬふりなのか?
誠に遺憾です。
以下引用。※デリケート画像があるので閲覧注意
大腸NETは肉眼的にSMT様隆起を呈するが,正確には上皮性腫瘍であり,内視鏡下生検にて確定診断がつく可能性が高い。大腸NETが疑われる小病変については,内視鏡下生検を行うと病変の大部分が生検によって摘除されてしまい,治療時に病変が認識できない,もしくはわずかしか残存しておらず治療後に病理評価を十分に行うことができない可能性があるため,あえて生検を行わずに最初から診断と治療を兼ねて内視鏡的切除を実施することもある。...大腸NETは病変の主座が粘膜深層~粘膜下層に存在するため,通常のポリペクトミーや内視鏡的粘膜切除術(endoscopic mucosal resection:EMR)では切除深部断端が陽性となってしまうリスクが高い。 ...大腸(直腸)NETを通常のポリペクトミーやEMRで切除すると深部断端が陽性になるリスクが高い。 ...大腸(直腸)NETに対する内視鏡的切除法として,ESMR-L,EMR-C,ESDなどが推奨される。...
深部断端陽性もしくは判定不能例については,内視鏡切除後部位の瘢痕に対して追加の内視鏡切除を行い,十分量の検体を切除したうえで病理評価を行い,腫瘍の遺残がないかを確認する方法が考えられる.追加内視鏡切除した結果,腫瘍の遺残がない,もしくは粘膜下層にごく少量あるのみで,かつ他の転移危険因子が問題ない場合は追加手術なしに経過観察を行うが,比較的ボリュームのある遺残腫瘍があり追加の内視鏡切除でも断端陰性で切除できなかった場合などは追加手術を検討する,という対応につながりうる.
このことについて、エビデンスや断定はないのだが、
私は、
脈管侵襲ありと比較して、断端陽性で追加切除によって完全に腫瘍が除去された場合は、再発や転移のリスクはあまりかわらないのではないか?
と思っています。
なぜなら、
脈管侵襲ありは、腫瘍が切除されるまでの間、比較的長い期間、脈管侵襲(腫瘍細胞が脈管に侵襲)が存在していたことになるが、断端陽性で追加切除で 完全切除になった場合は、比較的短い間であり、数か月間、腸の表面に腫瘍細胞が露出していたというようなことだから。
それに、腸の表面に腫瘍細胞が露出したときに、腸管内に流れて、体内に取り込まれるリスクは小さいように思う。
そのように考えると、大差がないように思える。
生検で一部を切除する適切な処置で切除面から腫瘍細胞がひろがることは防止されているはずだが、断端陽性で切除してしまっても、サイズによっては切断面が大きいが、切除面から腫瘍細胞がひろがることは、ある程度防止されているのではないか?
生切りとよばれるポリペクトミーとかは危険かもしれないが、EMRなどで焼き切られた場合、断端陽性でもそのリスクは小さいように思える。
加えて、二次的に、さらに大きく、後日、追加切除して、取り切れたのであれば、再発・転移リスクは低いと考えられるのではなかろうか。
今、G1 脈管侵襲ありでも、小さければ、外科手術は推奨されず、経過観察となっているので、それと比較すると、他のリスク要因がなければ、経過観察にしても違和感はないと思っている🤔しかし、エビデンスはない。
もう一度書く。
G1(悪性度低)で脈管侵襲ありで一括完全切除
→脈管を通じて腫瘍細胞が流れた可能性はあるが、ほとんど免疫で駆逐されて転移リスクない→だから、経過観察。
それと比較して、
G1(悪性度低)でいきなり切除で断端陽性
→切除痕を 中心に大きく追加切除して取り切れた場合、残っている腫瘍細胞として同等ではないか?→同等なら、経過観察でいいのでないのか?
納得いくまで確認してほしいし、やりすぎにならないようにしてほしい。
とはいえ、取り切れたということに疑いが生じる場合は、難しいままですから、話は別で、それはやはり、消化器内科業界は、
誤った切除や、垂直断端陽性のリスクを極力減らし、
もし、そうなってしまっても、不安になっている患者の側に立って、安心できるようにしてもらいたい。改善してほしい。
カルチノイドは良性だといまだに言っているクリニックや、
患者の前で、NETを初めて見たとか言っている医師は、全員集めて、修行させてほしいと思う。
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