不可逆な下り坂
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10月31日。晴れときどき曇り🌤️閉鎖後150日目。 私たちは、この世に生を受けたときから、決して後戻りはできない長い長い下り坂を死に向かってゆっくりと下っている。その下り坂は、ほとんどは平坦だが、時に急な下り坂になったり、断崖絶壁になったりする。 下り坂には、見渡す限りの景色が広がり、思いがけない美しい瞬間や、心を打つような出来事が待ち受けている。だが、進む道が決して平坦ではないことを思い知らされるとき、私たちは恐れや不安に立ち止まる。しかし、たとえ立ち止まったとしても、時は容赦なく過ぎていく。立ち止まった、その瞬間にさえ、もう二度と戻ることはできない。 その不可逆の下り坂の中で、恐れや不安を抱え、周りを見渡すと、その道に同行してくれる仲間や愛する人々がそばにいることがある。 彼らの存在は温かく、心強く、険しい道のりをともに歩んでくれる。 しかし、どれだけの絆で結ばれていても、私たち一人ひとりの足跡は、やがてそれぞれの道に分かれてゆく運命にある。ある人とは再び巡り会うかもしれないが、ある人は永遠に見送らなければならない。 この旅路の中で私たちは、何度も何度も立ち止まり、振り返り、または前を向き直して、自らの歩みを確かめる。 どんなに下り坂が険しくても、そこに見出せる小さな希望や喜びが、心の糧となる。 そして、次第に私たちは気づくのだ。この道が、ただ「死」に至るものではなく、歩んできた日々の全てが、その道そのものに刻まれていることを。 その道程は、後戻りはできないが、確かに今この一瞬一瞬の歩みが自らの旅路を形づくっているのだと。