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直腸サヨナラから1年半

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11月13日 直腸神経内分泌腫瘍(直腸NET、直腸カルチノイド)ロボット支援下直腸低位前方切除術 術後594日目 ストマ閉鎖後528日目  もう、直腸切除後、1年半以上が経過しています。 経過観察の定期的なフォローアップ検査は、3か月ごとから、半年ごとのペースに変わっていってます。 先日(11/10)、血液検査、尿検査、造影CT検査がありました。今日は、その結果を聞いてきました。 前回は5月で、術後2年目に入っているので、6カ月ごとのフォローアップになっています。 診察室に入り、 「おはようございます!お久しぶりです!」 軽い挨拶を交わすと、主治医がおもむろに語りだす。 「えーっと..........」 一瞬の空白も不安になる。 「特に問題ないですね~」 当たり前じゃないか!ふぅ~、また、ひと安心。あっぶねぇ~。 「便が出しづらいとかないですか?吻合部がだいぶ狭くて、数センチくらいしかないように見えるんですけど」 太めの💩が出せてるから大丈夫と思いますと言ったら、 「それなら、大丈夫ですね。狭いまま、腸がカタくなると、指でのばしたりしないといけなくて、ちょっと痛いと思うので。。。」 💩出せてないと、今ここで、指を入れてぐりぐりされるのか😑 さらりと、すごいことを言う。 「たたまれてて、便が通る時は広がってるんでしょう。大丈夫そうですね。」 よかった。でも、歳とると、きっと柔軟性が無くなってくるだろうから、きっと、いつか、指ぐりぐりされるんかな。うえ~、ま、今は大丈夫だから、気にしないようにしよう。 続いて、 「血液検査も、基準値内でした。肝臓の値も今回は大丈夫でしたね。この調子でいきましょう」 お?これは意外。まぁ、問題ないんだからよかった。 というわけで、腸は次回は5月。 前回、上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)で、5mmの粘膜下腫瘍が見つかり、そちらも少し心配ですが、大きくならないか見ていくくらいしかないので、心配してもしょうがない。 それについては、来年2月か3月に会社の検診の上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)で様子をうかがおうと思っています。 ふぅ~、というわけで、現状としては、最良の結果となって、ひと安心。 と同時に、 これでよかったのか? 大事に生きてるんかな? とか考えたりする。 なにも、一生懸命してないし、 行きたいところとか、 やりたいこ...

直腸NET:再発・転移で性質が変わる可能性についての理解

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直腸NET(神経内分泌腫瘍)は、ほとんどは、 内視鏡切除、場合によっては、外科手術もふくめて、 原発を切除して経過観察になります。 低いグレードでは、再発・転移の可能性は高くないと言われていますが、 再発・転移をすると、性質が変わって、悪性度が増すことがあるらしいと言われることもあって、ときどき不安になります。 今回、「再発・転移で性質が変わるとはどういうことか?」とある方から質問をいただいたので、素人患者が、それっぽく解釈してみた内容を書いてみようと思います。 Ki-67値は「細胞たちの記念写真」のようなもの まず、直腸NETのグレードにも使われている、悪性度を示すKi-67値について見ていきます。 Ki-67値が1%というのは、どういう意味でしょうか? これは、がん細胞を検査したその瞬間に、「今まさに分裂・増殖しよう!」という状態(増殖期)にある細胞が全体の1%いた、という意味です。だから、実は、Ki-67だけでは、個々の細胞の分裂ペース(足の速さ)は分かりません。 しかし、Ki67が高い(例えば30%)ということは、写真を撮った瞬間に増殖しようとしている細胞がたくさん写っていた、ということです。偶然たくさんの細胞が同じタイミングで増殖期になることは考えにくいため、「全体として増殖の勢いが強い(ペースが速い)のだろう」と推測はできます。でも、それだけです。 がんは「性質の違う細胞のチーム」 ここからが本題です。腫瘍は、実は均一なのっぺりした塊ではありません。「のんびり増える細胞」や「せっかちにどんどん増える細胞」など、性質の違う細胞たちが集まったチームのようなものです。 仮に、2種類の細胞がいると想像してみましょう。 のんびりチーム:1年かけて2倍に増える せっかちチーム:半年で2倍に増える(1年で4倍になる) 最初は「のんびり5,000個」と「せっかち5,000個」の合計10,000個の腫瘍だったとします。  1年後、どうなっているでしょう? のんびりチームは → 10,000個に せっかちチームは → 20,000個に 合計は30,000個になり、全体では3倍に増えています。 ここで大事なのは、チーム内の勢力図が変わっていることです。 最初は半々だったのに、1年後には「せっかちチーム」が全体の3分の2を占めるようになります。 せっかちな細胞の割合が増...

直腸NET G1, G2の外科手術後:ストマ閉鎖して、真・完全体。排便障害はどう?

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直腸NET(神経内分泌腫瘍)は、転移リスクを下げるため、追加で 直腸切除を含む 外科手術になることがあります。 大きな決断をしたもの、術後について不安に思っている人もいるでしょうし、 大きな決断を前に、少し先の状況の可能性を知ってから、選びたいという人もいると思います。 わたし自身も、漏らすのかな?トイレに一日何回行くのかな?仕事できるのかな?といろいろと不安でした。 今回は、術後の排便障害について、DMグループで情報交換している人たちや、X上でやりとりさせていただいた方の症状を聞いたり、自分で体験していることから、わたしはこう理解しているという話を書いてみたいと思います。 基本的なところ 直腸NETの排便障害は、一般的な直腸がんに比べて、軽めだと思います。 内視鏡で原発切除済みでの追加手術は、グレードが低いと、悪性度が低く、抗がん剤治療もないため、腫瘍や抗がん剤治療などのダメージがない、ほぼ健康な腸管切除になり、手術以外のマイナス要因が小さいからだと思います。 切除位置の違いの差 直腸の切除で、肛門側は、腫瘍があったところと、肛門の間で切断するので、直腸の機能がどれくらい残るかがそこで決まります。 腫瘍を中心として、どのくらいマージン(余裕)を取るかということですが、症状によるとは思いますが、ここでも、直腸NETの場合は、一般的な直腸がんに比べて、マージンは少なめに取られているのではないかと思います。 中には、原発の腫瘍が肛門にかなり近いところにあった方もいると思いますが、肛門から2cmや、すぐそこ。などと言われた方でも、わりとコントロールできる領域まで達しているので、思ったより、軽めになることが多いように感じます。 ただ、手術が、肛門括約筋にかかる領域となると、それなりに影響が大きくなるだろうと思います。 直腸の機能は、溜める、まとめて、イイ感じのペースで肛門から出す調整という感じで、それを切除するので、溜まってないのに、便意が来ます。膨張して溜めて圧力を調整することができなくなるので、ダイレクトに肛門にかかる力が強くなりますから、術前よりがまん力が必要になります。加えて、まとまらないので、トイレ回数が増えるというメカニズムです。 つまり、便意ピークまでが早く、ピーク時のがまんできる時間が短くなる傾向です。 手術の副反応や合併症 手術自体のリスクもあるので、縫合...

直腸NETのセカンドオピニオンと転院:経験者から聞いたポイントと注意点

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直腸NET(神経内分泌腫瘍)と診断され、特に内視鏡で切除した後に「追加で外科手術が必要か」という大きな決断を前に、不安や迷いを抱えている方は少なくないでしょう。 「今の主治医の方針だけで決めて良いのだろうか?」 「もっと専門的な意見を聞いてみたい」 そんな時、セカンドオピニオンや専門病院への転院は、ご自身が納得して治療を進めるための重要な選択肢となります。 わたし自身は、治療方針にさほど悩む状況ではなかったことや、主治医を信頼しておまかせすることができたので、実際にセカンドオピニオンや転院を経験した患者仲間たちの実体験をもとに、そのプロセスや注意点をまとめま した。 ※この記事は、患者さん個人の体験談をまとめたものであり、医学的な助言ではありません。治療に関する最終的な判断は、必ず主治医とよく相談の上で行ってください。 なぜセカンドオピニオンや転院を考えるのか? 多くの患者さんが、以下のような理由でセカンドオピニオンや転院を検討しています。 治療方針への迷い:  内視鏡切除後、「追加の外科手術を推奨する」と言われたが、本当に必要か迷っている。 専門医への相談:  直腸NETは希少がんのため、より多くの症例を診ている専門医の意見を聞きたい。 診断結果への不安:  切除した腫瘍の病理結果(Ki-67指数、グレードなど)から、今後のリスクをより正確に知りたい。 経験者の多くが、専門医に相談することで「モヤモヤが晴れた」 「納得して次の治療に進めた」と語っており、たとえ手間がかかったとしても、その価値は大きかったと感じています。 手続きの重要ポイント:経験者からのアドバイス セカンドオピニオンや転院をスムーズに進めるためには、いくつか重要なポイントがあります。特に、多くの患者さんが名前を挙げる国立がん研究センター中央病院を例に、注意点をみていきましょう。 1. 「セカンドオピニオン」か「転院(受診)」か?目的を明確に これは最も重要な注意点です。現在の主治医に紹介状を依頼する際、目的がどちらなのかを明確に伝える必要があります。 セカンドオピニオン:  今の病院で治療を続けることを前提に、治療方針について意見だけを聞きたい場合。 転院(受診):  専門病院で検査や治療を受けることを希望する場合。 経験談によると、「セカンドオピニ...

膵・消化管神経内分泌腫瘍(NEN)の診療ガイドライン 第3版 パブリックコメント用

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膵・消化管神経内分泌腫瘍(NEN)の診療ガイドライン 第3版 が発行に向かっている。 パブリックコメント募集用のドラフト   が開示されたので、差異を確認してみました。 なお、第3版は「パブリックコメント用/禁複製」というウォーターマークが入っているとおり、ドラフト段階であり、差異の抽出については、AIを使っています。以降の記載は、個人的な理解のために見比べてみたというだけなので、鵜呑みにしないでください。必要に応じ、ご自身で確認してくださいね。 直腸NET界隈で期待されていた、直腸NETの大きな悩みポイントの一つ、追加手術に進むかどうかの判断については、エビデンスがまだ弱く、明確な変更には至らなかったようですね。 しかしながら、何も進んでいないということはなく、第3版は、より厳格なエビデンス評価基準に基づきつつも、臨床的な実態や専門家間の合意を反映するために「弱い推奨」を積極的に活用し、将来の研究課題を明確にするなど、診療ガイドラインとしての深度と網羅性は高められているようです。今後に期待しましょう。 1 全体的な差異 1.1 ガイドライン作成の基本方針の更新 第2版: 「Minds 診療ガイドライン作成の手引き 2007」に基づいています。 第3版: 「Minds 診療ガイドライン作成マニュアル 2020」に基づいています。 ガイドライン作成の標準的な方法論が更新されているということかと思います。マニュアルは確認していないのでわかりませんが、次の質問の種類と推奨の表現が変わっているのも、その影響かもしれません。  1.2 文献検索期間の拡大と最新情報の取り込み 第2版: 文献検索期間は1983年から2018年まででした。 第3版: 文献検索期間は2010年1月1日から2024年5月31日までとされており、より最近の情報が網羅されています。また、論文作成前の会議録の段階のエビデンスも積極的に取り入れる方針が明記され、最新の実臨床への反映が重視されています。 1.3 質問の種類と推奨の表現 第2版: 主に「CQ」と「COLUMN」で構成されています。 推奨グレードは「A(強く勧められる)」、「B(勧められる)」、「C1(科学的根拠はないが、勧められる)」、「C2(科学的根拠がなく、行わないよう勧められる)」、「D(行わないよう勧められる)...

硝子体注射のフォローアップ

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これまでの経緯 始めは、なんか見えづらいな。という感じで、片目ずつ見ると、明らかに左眼の世界は歪んでいた。かかりつけのクリニックでは、精密な検査ができないので、大きい病院へ紹介という形で、今の病院にかかっている。 結果として、直腸NETでもお世話になることになったが、眼科で通っていたことで、雰囲気もわかって、結果論だがいい選択だったと思っている。直腸NETについては、選ばなかったもう一方の病院は2つの病院を統合する計画の最中にあり、その計画が遅れていて、少しもめているようなニュースが流れている。 さておき、治療の経緯は「 黄斑浮腫まとめ 」に書いているが、一貫して、黄斑浮腫という、網膜がむくんで、左眼で見える世界が歪んでいるという状況は変わっていない。その浮腫を取るため、硝子体注射を症状にあわせて続けている。現状では、視力を悪化させない治療方法としては、それしかないと理解している。 しかし、1回4-5万(3割負担)。お財布にやさしくはない。 前回注射のフォローアップ 今日は、前回(2025/05/07)アイリーア 2mg 硝子体内注射から、約2週間。 その前は約3か月間隔をあけている。 左眼の状況は、そのときどきの状況とか見るものによって、気になる時もあれば、気にならないときもあるが、前回診察で一番浮腫が減っていた時に比べると、明らかに見えづらい。 眼圧測定は、問題なし。 視力測定は、左眼はちょっと見えづらいのだが、歪んでいるポイントをずらすと見えることは見えるので、視力自体は大きく下がってはいなかった。 OCT(光干渉断層計)検査などの眼底撮影。詳しく調べてはいないが、3つの装置で撮影される。一つだけ、おそろしくまぶしいやつがある。年々、装置が進化して、少しくらいまばたきしても大丈夫になってきている。画像の方は、やはり、前回はほぼ平坦だった網膜が、もりあがって水が溜まっていた。見た感じ、1回の注射ではおさまらなそう。 診察の結果、予想通り、3か月間隔では間が空きすぎとの見解で、 「次は2.5か月間隔にしてみましょう。」 いや、無理だろ。と思ったけど、やってみないとわからないので、黙って聞いた。 たぶん、主治医も様子を見ようと思ったのだろう。 日程を確認すると、次回注射💉は、2025/7/22 となっており、同じ日に注射の前に、主治医の診察が入れられていた。 おそ...

再びやってきた、粘膜下腫瘍

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5月15日 直腸神経内分泌腫瘍(直腸NET、直腸カルチノイド)ロボット支援下直腸低位前方切除術 術後412日目 ストマ閉鎖後346日目  直腸切除後、1年以上が経過していますが、定期的な経過観察は続いています。 先日(5/12)に、血液検査、尿検査、造影CT検査がありました。前回は2月で、術後1年間は3カ月ごとのフォローアップという計画です。 加えて、直腸NETとは直接関係ないですが、主治医からは、年齢的にも、上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)も年1回は受けた方がよいと勧められていましたし、自分でもそう思っていたので、受けました。 今日(5/15)に、その結果の診察がありました。 X(Twitter) にて、 「直腸NET後、約1年検査🎊  血液検査(AST,ALTがやや高いが👍)  尿検査👍造影CT検査👍  上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)は5mmの粘膜下腫瘍🤞  正体不明だが、直腸とはおそらく無関係😑  2cm未満+悪性を疑う所見なしで、経過観察。  平滑筋腫かな。。🤔  粘膜下腫瘍(SMT)という響きがトラウマ🥶」 などと、強気に報告したものの、内心は少しビクビクしています。 まず、直腸NET関係の経過観察では、特に問題なし! これはまぁ、当然でしょう。と思っていました。 AST, ALTが高いことと、体重が右肩上がりで、術前の体重を越えつつあることは、少し気になりますが、気になる程度のことでした。 問題は、胃カメラの結果です。 つるんとした外観の見慣れた?映像。これは!と思ったら、 案の定、 「5㎜の粘膜下腫瘍がありました。サイズも小さいし、悪性の所見はないようなので、経過観察ですね。」 胃もか!と思った。 そして、やはり、帰ってから、聞いておけばよかった。と思うことがいろいろでてきた。 説明としては、 胃の粘膜下腫瘍は珍しくはない。(あとで調べると、 一説 には「胃カメラをすると3%くらいは粘膜下腫瘍が見つかる」らしいので、そんなものか。という感じ。) 胃の場合、(胃壁の性質により)内視鏡だけで切除とはならず、取り切るには、腹腔鏡で取る。(あとで調べたが、腹腔鏡・内視鏡合同手術「LECS」という術式かも。) 2cm未満で悪性を疑う所見なければ、経過観察になり、大きくなってきたら切除を検討。 直腸NETとの関係は、生検するか、切除して病...