直腸NET G1, G2の外科手術後:ストマ閉鎖して、真・完全体。排便障害はどう?

直腸NET(神経内分泌腫瘍)は、転移リスクを下げるため、追加で直腸切除を含む外科手術になることがあります。

大きな決断をしたもの、術後について不安に思っている人もいるでしょうし、大きな決断を前に、少し先の状況の可能性を知ってから、選びたいという人もいると思います。

わたし自身も、漏らすのかな?トイレに一日何回行くのかな?仕事できるのかな?といろいろと不安でした。

今回は、術後の排便障害について、DMグループで情報交換している人たちや、X上でやりとりさせていただいた方の症状を聞いたり、自分で体験していることから、わたしはこう理解しているという話を書いてみたいと思います。

基本的なところ

直腸NETの排便障害は、一般的な直腸がんに比べて、軽めだと思います。
内視鏡で原発切除済みでの追加手術は、グレードが低いと、悪性度が低く、抗がん剤治療もないため、腫瘍や抗がん剤治療などのダメージがない、ほぼ健康な腸管切除になり、手術以外のマイナス要因が小さいからだと思います。

切除位置の違いの差

直腸の切除で、肛門側は、腫瘍があったところと、肛門の間で切断するので、直腸の機能がどれくらい残るかがそこで決まります。
腫瘍を中心として、どのくらいマージン(余裕)を取るかということですが、症状によるとは思いますが、ここでも、直腸NETの場合は、一般的な直腸がんに比べて、マージンは少なめに取られているのではないかと思います。

中には、原発の腫瘍が肛門にかなり近いところにあった方もいると思いますが、肛門から2cmや、すぐそこ。などと言われた方でも、わりとコントロールできる領域まで達しているので、思ったより、軽めになることが多いように感じます。

ただ、手術が、肛門括約筋にかかる領域となると、それなりに影響が大きくなるだろうと思います。

直腸の機能は、溜める、まとめて、イイ感じのペースで肛門から出す調整という感じで、それを切除するので、溜まってないのに、便意が来ます。膨張して溜めて圧力を調整することができなくなるので、ダイレクトに肛門にかかる力が強くなりますから、術前よりがまん力が必要になります。加えて、まとまらないので、トイレ回数が増えるというメカニズムです。

つまり、便意ピークまでが早く、ピーク時のがまんできる時間が短くなる傾向です。

手術の副反応や合併症

手術自体のリスクもあるので、縫合不全、吻合部の狭窄や、手術で周辺組織が痛んだことによる影響が出てしまうこともあるかもしれません。
わたしはかための💩が多いのですが、吻合部がやや狭いと言われていて、💩が太くなったときに狭いところを通っている感覚があります。
ゆるい便が中心の方はあまり関係がないかもしれませんが、もしかすると、排便障害に対してはプラスかもしれませんね。ただし、狭すぎると腸閉塞につながりキケンだと思います。

術前の元々の便通、排便状況の影響

個人差で影響が大きいと感じるのは、術前の元々の便通、排便状況がどうだったか。ということです。

直腸を切除すると、その機能、つまり、溜める、まとめる機能が大幅に減退します。
ですが、それ以外は、あまり変わらないのが一般的ではないかと思っています。
手術によって腸内環境が変わってしまうこともあるようですが、それは、おそらく、生活を戻す(or 腸によい生活)とほとんどの場合、元に戻るのではないかと思います。

簡単に言うと、

術前の元々の便通、排便状況が、溜まらず、まとまらずに出てくる。

と想定されます。

便は大腸の蠕動運動によって運ばれる間に、水分を吸収されるから、
どれくらい、蠕動運動が活発で、早く肛門へ運ばれるか、
どれくらい、水分の吸収されて、肛門へ運ばれるか、
または、その両方で、決まってきます。

術前の元々の便通、排便状況が、何を食べてもゆるい傾向で1日に数回はトイレにいっていたケースは、溜まらず、まとまらずに、感覚的に、平均3~5倍はトイレに行くことになると思います。
元々かためで便秘気味な方は、ぶつ切りのころころとした便になりやすいと思います。わたしはこれですが、元々1日平均0~1回あるかないかだったので、今は、術後1年以上たって、1日平均0~5回といったところです。

術後の経過

時間の経過とともに、症状は緩和していきます。
ただ、切除した直腸の変わりになるものが、根本的にはないので、完全に術前のようにはなりません。術後の新しいからだ 真・完全体の、新しい排便状態になる。と理解したほうが良いかもしれません。

わたしの月次平均の変化です。
いろいろなデータで似たようなカーブは見たことがあると思います。
術後、3か月くらいまでは、わりと大きく改善していくことが多いと思います。最初のころは特に、大変になったり、マシになったりして、一喜一憂しがちですが、元々、術前も毎日同じではなかったはずです。

だから、なんとなくの傾向を見ながら、何か工夫をしてみるときも、しばらくつづけて、なんとなく傾向が変わったかで効果を見る必要があると思います。

工夫の余地

さいごに、工夫の余地がどれほどあるか。について書いてみます。
おむつや、リハビリパンツ、パッドなどの対処ではなく、排便状況をマシにする工夫です。
個人差があるとは思いますが、基本的には、
どれくらい、蠕動運動が活発で、早く肛門へ運ばれるか、
どれくらい、水分の吸収されて、肛門へ運ばれるか、
または、その両方が調整されるようなことをすれば、結果として、排便状況が変わります。
パラメータが多いので、簡単ではありません。でも、大きく影響することをつかんで、それをうまく組み合わせるとある程度、調整できると思います。

例えば、
食べたら、腸の蠕動運動が活発になりやすいので、食べた後の便意の傾向を見たら、食べるものや、食べる時間で排便状況が変わります。
術前に、食べ物、飲み物で、もともと、お腹がゆるくなっていたものは注意してください。最初は摂取して、数日は、どうなっても大丈夫な状況で試していくとよいでしょう。

蠕動運動は、運動や睡眠などの生活の影響も受けるので、運動の負荷を変えて見たり、睡眠時間を長くとったり、いろいろ変えすぎるとわからなくなるので、少しずつ試すとよいでしょう。

時間はかかります。急によくなることはないですが、調整できなくても慣れてくる部分もあるので、希望はあります。

他には、
薬や食べ物で、乳酸菌などの善玉菌を増やし、腸内環境をよくして便性状を安定させるのもよいです。前述した試すことが、便性状が安定していないと効果が見えづらくなりますので、最初のころに重視するのは、これかもしれません。

書いて出しなので、だらだらと長くなってしまいましたので、このあたりで終わりたいと思います。また何か、あとから続く人たちのためにあったほうがいい情報があったら書いてみたいと思います。

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